八ヶ岳を擁する山梨県のサイクリングチームCORSA/CROSS YAMANASHIに所属する岩波信二さん。高校のころから自転車に乗るベテランレーサーで、先日北海道で開催されたニセコクラシックでは入賞する健脚の持ち主。彼の住まいは山梨県甲州市で、八ヶ岳エリアとはちょっと離れていますが、ここ最近足繁く通ってライドをしているそう。グランフォンド八ヶ岳でもボランティアスタッフとして活躍する彼に、このあたりの魅力について伺いました。

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岩波さん(左)は健脚の持ち主。先日行なわれたニセコクラシックでは見事に入賞を果たす。(photo:Shinji Iwanami Instagram)

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僕は山梨県甲州市に住んでいて、同じ県内ですが少し八ヶ岳のあるエリアからは距離がありますね。シクロクロスで走るのに八ヶ岳ふれあい公園(※)といういい常設コースがある、というのを聞きつけてみんなで走りきたのが八ヶ岳エリアとの最初の出会いですね。「野辺山は標高も高いから夏は涼しくて走るのにいいね」ってなりまして。シクロクロスバイクで自走してきて、コースを走って、また自走で帰ったりして。この4〜5年くらいそんな感じで走っています。

※長野県の野辺山にあるふれあい公園では、「野辺山高原シクロクロスレース実行委員会」が管理・運営を行う常設のシクロクロスコースがあり、村内の子どもたちのライドスクールや、県内外のライダーたちの練習場所として親しまれている。

もっと遡ると……そうだ、小さい頃に八ヶ岳には来たことがありました。自転車の旅として清里・野辺山を越えた記憶があります。子どもにとっては大冒険ですよ。甲州からだとずっと上りですしね。このあたりは牧場が広がっていて、甲州市のあたりとはまったく違う風景に驚かされたのを覚えています。

自転車に乗り始めたのは中学3年生のころ。高校で自転車競技部に入って、卒業して1年だけ実業団チームで走りました。そのあとはしばらくブランクがあるんですが、また30代になって乗り始めました。

自転車競技をしていた高校生の頃も、国道20号で国界(ラーメン屋さん)まで行って折り返し甲州の方へ戻っていくというもので八ヶ岳方面へと上ることはなかったですね。今思うと残念なことですけれども、やっぱり八ヶ岳方面に向かっていくというのは少し特別というか、覚悟がいるというか、大きい山の偉大さを感じますよね。

シクロクロスを通じて最近はこのエリアにもライド仲間ができて、週に一回とか走るようにしています。暑くなるこの時期、なんといっても高原の空気が最高ですね。牛の匂いとか、土の匂いとかも含めて(笑) コースも、上りばっかりと思いがちですけど、アップダウンに富んでいて走っていて飽きないですよ。

八ヶ岳周辺のお気に入りのルート? いや、全部いいんですよ(笑)。特にどこが、というのはなくて、挙げるなら空が近いこと、雲が近いのが魅力ですね。走っていてすごく気持ちがいいんです。

縁があって、グランフォンド八ヶ岳はこの3年くらい、先導ライダーとしてお手伝いしています。先頭で走るライダーの前を引いてあげる役割です。今年はどうなるかわからないですけれど、何かの形でお手伝いする予定ですよ。僕がそうだったように、県内の人にとっても特別な八ヶ岳なので、県外のライダーからすればなおさらでしょう。たっぷりと八ヶ岳でのライドを楽しんでいってほしいですね。お待ちしていますよ!

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(写真と文:小俣雄風太)