編集部(以下:編):普段は何をされていらっしゃいますか?

深沢さん:普段はですねえ、北杜市社会教育福祉センターの会や高根の地域委員をしていて、それから、まあどっちかっていうとガールスカウトが43年ぐらいですか。

編:43年! いまも続けておられるのですか? 

深沢さん:入隊したのは昭和49年ですから…、それからずっと続けていて、子供もずーっとガールスカウトで、私もリーダーをやっていまして。団長も務めましたが歳で終えました。また日本連盟の連盟トレーナーをさせていただいて、そしてそのままずっと。トレーナーは65歳で定年なんです。厳しいですね。それからは放課後こども教室プランのコーディネーターを行なっています。

編:これはどういったことをなさっているんですか?

深沢さん:北杜市には8つの学校がありまして、この中の3つの学校を受け持たせていただいておるわけです。つねに市と学校との連絡係と連携し、それぞれの教室の企画やスタッフ会議などに交わっているんですね。ところで放課後教室ってご存知ですか?

編:いえ、恥ずかしながら内容までは存じ上げないです。

深沢さん:今は白州・小淵・高根。高根4校ありますけど、その4校も1校ずつ回って歩くんですね。原点は子供たちを見守るということになります。学校の授業が終わって家に帰るんですけども、保護者が家庭にいない一人生活が多いと問題になる。子供たちは学校が終わったあと家に帰って自由な遊ぶ時間を、この教室のなかでお互いに触れ合い、話し合い、助け合う。事業そのものは大きいんですよね。

編:なるほど。やっぱりガールスカウトをやってきた長年の経験があるので、こういった方向に赴くのですね。

深沢さん:おかげさまで日本キャンプ協会キャンプディレクター1級をとることができまして、ときどきキャンプの様子を見てください、とかって頼まれるの()。この歳になっても辞められないんですね、好きですから()。大人と会話しているより、子供たちと自然の中で生き生きしています。やはり自分で「良かったな」って、自分を褒めてます。

編:毎年のことかもしれませんが、夏休みは忙しかったのではないですか?

深沢さん:そうなんです。キャンプもありましたし、たまたまこの夏休みの連休に3泊4日くらいで、孫が12人の大学生を連れて我が家に泊まると。で、そんなに泊まる部屋って…。「もしなんでしたら表にテント張ってするから大丈夫」と。で、やっぱりそうなるとね、嬉しくなっちゃうんですね、嫌いじゃないんですよ。そのかわり調味料は用意する、そのほかの物は全部みんな自分たちでしなさい、お茶碗を洗うのもそれぞれの責任よ、っていう。私、意外と厳しいんですけどね(笑)。
やはり現状は厳しくしていかないと。例えば今度のグランフォンド八ヶ岳にしましても、スタートが7時で、ここに着くのが1時間半ほど、約60kmぐらいあるじゃないですか。皆さんが来る前にもちろん私たちも集合して。ここではお蕎麦とか、それからサラダですね、お菓子とかジュースなどをサービスするんですね。で、そのときに完全に準備されているんですけど、なかなか来ない。すると交通整理をしてる方が、「あ!来たわよ!」って言うとみんなで手を叩いて、「よっしゃー!」っていう感じでね。やっぱり一番トップで来る方は一番幸せだと思います。

編:皆さんの拍手で歓迎ですね。

深沢さん:女性団体が10人ですか。それから男の方が56人。で、私たちガールスカウトがやはり20人ほど協力させていただいてるんです。で、やはりガールスカウトっていうのは、ご存じのように生涯学習のなかの一環として私は協力を、「させる」っていうんじゃないですね、「こういう事業があるからどうする?」、「みんなの意見の方が大事」、「あなたたちが決めなさい」、といって進んで参加するという形で協力させていただいています。でも子供も喜んでるんですよ。終わって帰るときは「また来年来ます」って帰るのね。「疲れたからもう来ない~」なんて言わないんですよ。やはり、喜んでそれに参加するという事業が、その子供たちにとってはプラスになってるんじゃないかと思うんです。進んで協力できる、そして協力した内容を今度はまた違う形のところで、そういうときにはこうする、挨拶もきちんと、お菓子一つあげるにしても「美味しいですよ」「元気になってください」「行ってらっしゃい」ってな感じで。

編:なるほど。そうですね、参加者も進んでもてなしてくれるのは嬉しいでしょうね。

深沢さん:ええ。それが一番です。「お願いします、時間空いてますか、如何でしょうか」っていう今の、ここだけの話になるけど、大人は難しいんです。「どうですか」っても「そんなん時間ないよ」って。暇があっても「暇ないよ」って(笑)。その子たちは「今度いつ?」って聞くのね。で「10月の第1の日曜日」っていうと「第1の日曜日って何日?丸しとくんです」っていう感じなんですね。もう向こうから声かけてきてくれて。

編:前向きというか、心構えだけで取り組み方がずいぶん変わりますよね。

深沢さん:甲府の方からも来てくれてるんです。高根にはね、スカウトの数が少ないんですよ。それで、甲斐市の方なんですけどね、そこから67人協力にリーダーが連れて、そして一軒一軒帰るときは送って。もうそういう風にして安全にやっていかないと、今は何がどこで起きるかわかりませんから。とても危険な社会ですのでね。やはりそこがまず第1の注意事項。現状のこのグランフォンド八ヶ岳の大会をみても、事前と当日の健康チェック。やはりきちんとその点はやって下さってるんで。なかなかやってこないこともありますよね。「今日は参加するんだ、楽しい日だ」って。やっぱりそうじゃないと思うんです。たまたま私もスカウト活動している内容のなかでは「必ず保険証はコピーしてでも持ちなさい」とかね。最低限自分に必要なもの、最低限自分で自分を守れること。やはり誰が助けてくれるわけではないので、自分が自分を守ること、そして参加するということ。大事じゃないかなあと思うんです。

編:大会前、当日の健康状態はしっかりと見極めて、楽しく走りたいですね。

 

 深沢さん:「自然と共に」「人との交わり」とかね。そういう「約束の言葉」にもいろいろと学ぶことができました。その延長がこういうボランティアを続ける理由なんじゃないかなあと思うんですね。何か頂くと「えっ、どうしてですか」って感じになっちゃう。お水頂くと「私は持っていますからいいです」って。「そのお水は悪いけどネパールの方へでもあげて」とかね。難民の子どもにどうぞって。やっぱりどうしても考えがそっちへ行っちゃうんですね。今回の大会に参加する方たちが、一生懸命「僕の身体を試すんだ、頑張るんだ」っていう参加する心を楽しく迎えて送ってあげたい。ここの門に入ったときに「いらっしゃい!」っていう感じ。「お帰りなさい」じゃないですよ。これからまだ行くんですからね。そしてゆっくり休んでもらって、「水筒のなかは大丈夫ですか、水いっぱいにしていってください。水はいらなくなっても頭からかければ気持ちが違いますよ」とかね。いくつになっても変わらないんですよね。まあ皆さんから見ると「おばあさん、もういい加減に辞めたらいいんじゃないんですか」って言われるかもわかりませんけど、でも自分ができる以上は、続けなければいけないかな。できるだけの努力はやっていきたいと思います。

編:いろんなエイドの方からお話を聞かせていただいて、「おもてなし」っていう気持ちがやっぱりとても大事だと思いました。

深沢さん:一番大事だと思うんです。まず笑顔ですよ。スマイルで会ってスマイルで送ってあげるのね。「うーん疲れるなあ」なんてことはカット。私は見ているんです全員を。失礼だとは思いますけどね。とにかく新しくエイドに帰ってきた方には「とにかく休んで」って。肩で息してる方には「ちょっと座ったほうがいいわよ」って。これ婆さん根性ですね()。参加者全員の顔を見ることはできませんけど、大体の表情は変わらないんです。みんな一生懸命息を切らして上ってきますのでね。やはりそういう方たちに、ただサービスをして「お蕎麦あります」「サラダどうぞ」だけじゃ駄目なんです。やはり絶対に来る方の顔をきちんと見てあげる。これが私たちの役目の1つの大きなものじゃないかとも思いますので。子供たちがキャンディーを配るにしても「『はいどうぞ』じゃなくて『飴美味しいですよ! 飴なめると元気つきます!』ってもっと大きな声だしてあげてちょうだい」っていうと「わかりました!」って言ってる()。やはりお手伝いする方も一緒に励まし合うっていう協力の仕方。やはり協力ってそういうことじゃないかなって。助け合うっていうことですよね。そしてその助け合うなかから1人ずつ送りだしてあげるっていうのが私のモットーです。生意気ね~()

でも本当に、グランフォンド八ヶ岳っていうのは山に囲まれていて、山の中を走って、坂の上に行くとまた違う空気が流れてきて、最終の清里のあの辺を眺めながら、いいコースじゃないかと思うんですね。コースとしては、他にもいろんなところがありますけど、またここはここの環境の違いで、大変プラスになる企画じゃないかと思います。8回目を迎える今回ですけども、これが10回までね、素直に進みながらやってほしいなあと思っています。それまで私、手伝えるように、自分の生命を大切に……()

 

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高根体育館ではおそば、レタス、カントリーマアムが提供されます。

 

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レタス・オン・ザ・おそばというコンボを楽しむ参加者も多いです